この文章を書いているのは、日本に帰国する直前です。最後の報告を飛行機に乗る前に掲載したいので、乱文になりますがお許しください。
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とうとう旅行のクライマックスがやって来ました。昨日は午前7時にBTA集合で夜の午前零時にホテルに帰り着く、という超ハードな1日でした。今朝は生徒の体調を心配しつつ起床時間を7時20分にしました。2日間しか滞在しないニューヨークでできるだけ多くのことをするためには少し無理をしなければなりません。
★Top of the Rock (ロックのてっぺん)
ホテルで朝食をとってからまず向かった先は、トップ・オブ・ザ・ロック。ロックフェラー・センターにある展望台です。あまりにも背が高いので、全体の写真を撮るために先生は100mくらい遠くまで走って行って来ました。朝の8時過ぎから観光客の行列ができています。エレベーターの天井がガラス張りになっていて、そのガラスパネルにいろんな色に点滅します。自然と上を見上げていると、まるで空に吸い込まれるようにして展望台の階に到着します。
曇り空ながらもエンパイア・ステート・ビルや昨日訪れたセントラル・パークがよく見えて、マンハッタンが一望できました。生徒達は高いところにいる、ということがことのほか気に入ったようで、テンションがうなぎ登り。寒い寒いと震えながらも、帰りたがりません。ニューヨークの良い所は、街にエネルギーが溢れていて、学生が多少はしゃいで大声を出した所で、摩天楼に吸い込まれていって誰も気にしないところ。お腹から声を出して笑って楽しそうです。
★United Nations Headquarters (国連本部 )
続いて訪れたのは、国連の本部。万国旗がはためいているイメージがあると思いますが、最近は人件費削減のために週末は掲揚していないんだそうです。たしかに、”万”の国旗を揚げ下げするのはものすごく手間がかかりますよね。ただ、観光客としては残念!国連のマークの横で集合写真を撮ったら、中に入って厳重なセキュリティチェック。
通過して初めてに目に飛び込んでくるのは2つのオブジェ。1つ目は、ルクセンブルクが贈った、銃口が捻じ曲げられている、反戦メッセージを込めた作品。2つ目は、イタリアが贈った、金色の美しい地球の内部にゴチャゴチャした醜い物体が見えている、人間の環境破壊に蝕まれる地球を表した作品。「どちらかの前で写真を撮りましょ、どっちがよい?」と尋ねたら「両方!」という返事が返ってきたので、下のような写真になりました。
建物の中に入ると、 色んな国の贈り物や展示物があります。スウェーデンの王様が贈った、ニューヨークの摩天楼を表現したオブジェ、シャガールのステンドグラス、イラクに国連が駐留していた際に掲げていた旗(爆撃を受けてボロボロでした)、色んな活動家の慰霊碑、イランが贈った、ペルシャ絨毯に織り込んだ歴代国連事務総長の肖像画、などなど…。
グッズショップでお買い物をした際に、国連本部にしか売ってない切手で、国連本部内の特別な郵便ポストから絵葉書を送りました。自分たちの方が先に帰国するから、あとから届く国連からのお便りが楽しみですね。
★The Plaza (プラザ・ホテルのフードコート)
お昼ご飯は、豪奢なプラザ・ホテルに入っている、ちょっと質の高いフードコートで。今やみんな、自分で英語でお買い物をするのはへっちゃらです。10日前の入国審査の時はあがってしまって意味不明な単語を口走っていたのにね。例えば、指紋を登録するために係員が “finger please!” と言ったのに対して “さ、さ、さ sightseeing!” と応じている人がいましたっけね。
ミルフィーユが看板メニューのケーキ屋さんでケーキを買っていたり、クレープ、アイスクリーム と、甘いものを食べている人が目立ちました。
★Ferry to the Staten Island (スタッテン島行きのフェリー)
次は、自由の女神を水上から眺めるために近場のスタッテン島に行くフェリーに乗りました。
続いてこちらを訪れました。
★Westfield Station (ウェスト・フィールド駅)
ワールド・トレード・センターの横にある駅で写真を撮ってトイレに行きました。
午後4時45分、5番街にあるトランプ・タワーの前で自由行動タイムに入りました。ニューヨークでの初日が雨で少し予定を変えたため、行動の時間帯が遅めのなりました。ニューヨークは日没が7時過ぎで、自由行動をするエリアは8時頃までは中学生がうろついていても心配のない治安なのでご安心ください。4:45〜7:45PMまで3時間、思い切り満喫してきたようです。
全員約束の時刻プラス10分以内には集まって来て、8:00PMに華やかなニューヨークの街を後にしました。バスで40分ほどかけて郊外にあるホテルに向かう途中、夜景が綺麗なスポットに寄り道をしました。夜景を見下ろすカーブした道路に沿って街灯がきらめく様子が La La Land のワンシーンを思い起こさせて、映画を観た女子はちょっとウキウキ。
再びバスに乗り、9:00PMにホテルに到着して解散しました。
明日は7:30に朝食をとって帰国の途につきます。「帰りたくない!!」と口では言っていますが、みんな毎日ようにおうちのご飯を恋しがっていましたね。お味噌汁、白くてふっくらしたご飯、卵かけご飯、ざる蕎麦…とにかくあっさりした物が食べたいみたいです。スパゲッティやハンバーグで歓迎、なんて絶対にしなくていいですよ、お母さん!家族の皆さま、お土産とたくさんの物語を待っていてください。
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新島襄ゆかりの地の巡礼、ホームステイ、学校体験、アメリカ建国の歴史理解、観光、ショッピング…色んな要素がもりだくさんの研修でしたが、前向きで協力的な生徒30名のおかげで毎日予定通り平和に過ごすことができました。生徒の勇気や柔軟性に大人が学ばせてもらうこともたくさんありました。また、多様性に乏しい日本で暮らしている私たちの弱点も感じることしきりでした。
こうして生徒たちが意欲的に学んで自分の可能性を広げることができるのは、保護者の方々の想いと支援があってのことです。彼らは今はそのことのありがたさ、凄さがわかっていないようですが、将来必ず感謝する日は来ます。
これでボストン研修旅行の日記を終わりますが、参加した皆さんもあとからこの日記を見て記憶を蘇らせてくれたら嬉しいです。
日本で私たちの無事を祈っていてくれた皆さん、ありがとうございました!
The End