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行事ニュース

2021年度中高入学式

本日、2021年度中学及び高校入学式を挙行いたしました。

 

式辞(中学)

満開だった桜の花が桜吹雪に変化し、早くも新緑の季節を感じさせる今日この佳き日に、八田英二総長、理事長をはじめ、ご来賓の皆様、ならびに、保護者の皆様にご臨席を賜り、2021年度同志社香里中学校入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであります。ご臨席の皆様に厚くお礼を申し上げますとともに、253名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より祝福を贈りたいと思います。

昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、皆さんは、大きな不安やストレスを抱えての一年を過ごされたのではないでしょうか。感染のリスクにおびえながら、新しい生活様式での日常生活、さまざまな制約を余儀なくされた学校生活など、本当に辛く、大変な一年間だったと思います。このような状況にありながらも、皆さんは、逆境をはねのけ、進学の準備をしっかりとされました。入学に至るこれまでの努力に、深く敬意を表します。

また、これまでずっと温かく支えてこられた保護者の皆様、立派に成長されたお子様の姿に、感激もひとしおかと存じます。本日は、誠におめでとうございます。併せて、本日は、感染の拡大防止のため、各ご家庭、お一人の参列とさせていただきました。これにより、この場にご参列いただくことがかなわず、オンライン中継にて、式の様子をご覧いただいている方もいらっしゃるかと思います。皆様のご理解とご協力に厚く御礼申し上げます。

今、新入生の皆さんの胸中は、入学の喜びと、これから始まる学校生活への不安の中に、将来への、大いなる期待と夢で、満ち溢れている事でしょう。この場にいる事が、できるのは、皆さんの、これまでの努力の積み重ねの、たま物である事は、言うまでもありません。しかし、ご家族や周りの方々の、温かな支えや、ご指導、優しく、かつ、厳しい教えが、あっての事、感謝の気持ちを、忘れてはなりません。この事をしっかりと、自分の胸に刻み、本校での第一歩を踏み出してください。

さて、皆さん、この世で一番硬い鉱物って何か知っていますか。それは「ダイヤモンド」です。この地球上に、ダイヤモンドより硬い鉱物は存在しません。ダイヤモンドは美しい宝石ですが、はじめから美しいわけではなく、元々は透明感のない原石です。それを何度も何度も丁寧に磨くことで、人を魅了する光を放つ宝石となります。

では、この一番硬いダイヤモンド、何を使って、削ったり、磨いたりするのでしょうか。鉄鋼で削ろうとしても、鋼鉄の方が柔らかいので、ダイヤモンドに負けて削ったり、磨いたりできません。このダイヤモンドを削ったり、磨いたりするのに、実は、同じダイヤモンドを使います。つまり、磨き合うわけです。

これと同じことは、人間にもあてはまると思います。人間は、「万物の霊長」と言われ、人はこの世の中で最も優れた能力をもっている生き物です。この最も優れた能力をもっている人間は、どのようにして人間らしくなり、光り輝くのでしょうか。

同志社の創立者、新島先生は、1885年、「A Policy for our Training School『わが校の方針』」と題した所感に、次のような言葉を英語で書き残しています。

Let us be like an unpolished Diamond. Never mind of the outward rough appearance if we could have shining part within.

(磨く前のダイヤモンドのようであれ、内に輝くものがあるならば、荒削りの見かけを決して気にしてはいけない)

新島先生は、「個性」を尊重し、「自由」と「良心」に立脚する人物の育成を目指し、同志社を創立しました。個性を尊重するということは、いろんな形の違うダイヤモンドの原石があってもいい、ダイヤモンド同士、お互いが削り合い、磨き合うことによって、すなわち、個性や差異を認め合うことで、それぞれが、輝かしい光を放つダイヤモンドになるということです。

式の冒頭、宗教部主任が拝読しました、皆様のお手元の式次第にあります「地の塩、世の光」という聖句ですが、「世の光」とは、燭台の上に灯された明かりのことで、暗闇を照らし、ものを識別します。同志社の教育理念は、キリスト教を基本として、人格を養い、単に学業や技術に優れた人物の育成だけでなく、聖書にいう「地の塩、世の光」として、世のため、人のために役立つことのできる人物を排出することです。

ここにおられる皆さんは、それぞれ荒削りかもしれませんが、内に秘めた輝きを持ったダイヤモンドの原石です。その皆さんが、同志社香里に集い、これからの学校生活を通して、勉学に励み、多くの友達を得、自分の目標を見失うことなく、切磋琢磨することで、さらに大きく成長し、「世の光」となることを期待しています。

結びに、今日から同志社人となった皆さんのこれからの6年間の学校生活が、有意義で、実り豊かなものとなることを心からお祈りし、式辞といたします。ご入学おめでとうございます。

 

式辞(高校)

満開だった桜の花が桜吹雪に変化し、早くも新緑の季節を感じさせる今日この佳き日に、八田英二総長、理事長をはじめ、ご来賓の皆様、ならびに、保護者の皆様にご臨席を賜り、2021年度同志社香里高等学校入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであります。ご臨席の皆様に厚くお礼を申し上げますとともに、304名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より祝福を贈りたいと思います。

昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、皆さんは、大きな不安やストレスを抱えての一年を過ごされたのではないでしょうか。感染のリスクにおびえながら、新しい生活様式での日常生活、さまざまな制約を余儀なくされた学校生活など、本当に辛く、大変な一年間だったと思います。このような状況にありながらも、皆さんは、逆境をはねのけ、進学の準備をしっかりとされました。入学に至るこれまでの努力に、深く敬意を表します。

また、これまでずっと温かく支えてこられた保護者の皆様、立派に成長されたお子様の姿に、感激もひとしおかと存じます。本日は、誠におめでとうございます。

併せて、本日は、感染の拡大防止のため、各ご家庭、お一人の参列とさせていただきました。これにより、この場にご参列いただくことがかなわず、オンライン中継にて式の様子をご覧いただいている方もいらっしゃるかと思います。皆様のご理解とご協力に厚く御礼申し上げます。

今、新入生の皆さんの胸中は、入学の喜びと、これから始まる学校生活への不安の中に、将来への大いなる期待と夢で満ち溢れていることでしょう。皆さんは、今日の入学式で、スタート地点に立ちました。夢と希望を抱いて、一歩、一歩、着実に、同志社香里で歩みを進めてほしいと思います。同時に、この場にいることができるのは、皆さんのこれまでの努力の積み重ねのたまものであることは言うまでもありませんが、ご家族や周りの方々の支えや優しくも厳しい教えのお陰であり、感謝の気持ちを忘れないでください。

さて、先ほど、式の冒頭で宗教部主任が拝読しました、お手元の式次第にあります聖句をご覧ください。これは「地の塩、世の光」という聖書の御言葉で、これから皆さんが、同志社香里での学校生活を通して、どんな人物に育ってほしいかということを示しています。

「地の塩」、塩とは、お料理の味付けに使うのは皆さん、ご存じだと思います。塩は、他に殺菌や保存料として、食物を腐敗から守る働きもします。「世の光」とは、燭台の上に灯された明かりのことで、暗闇を照らし、ものを識別します。同志社の教育理念は、キリスト教を基本として、人格を養い、単に学業や技術に優れた人物の育成だけでなく、聖書にいう「地の塩、世の光」として、世のため、人のために役立つことのできる人物を排出することです。皆さんには、このことを理解して、明日からの学びを始めてほしいと思います。

学びを始めるに当たって、皆さんに、心がけてほしいこと、2つお話します。

一つ目は、「志を持つこと」です。志を立て、それを成し遂げるために努力と忍耐を怠らず、生きていくことこそが、人として最も大切なことであると思います。この先、グローバル化、情報化が急速に進み、今ある職業の半分がなくなると予測され、社会が大きく変化すると言われています。皆さんには、これからの学校生活、自分の決めた「志」をいつも胸に抱き、前向きに歩んでいってほしいと思います。時には、困難なことや失敗することもあると思いますが、あきらめず、懸命に取り組むことで、人はさらに大きく成長します。勉強に部活動に、高い志、高い目標を持って、その実現に向けて努力を惜しまず、邁進してください。

二つ目は、「人のつながり」です。コロナ禍は、経済や教育活動に甚大な影響を及ぼすだけでなく、私たちのライフスタイルや価値観をも大きく変えました。感染を予防するため、人の移動と接触が制限され、これまで私たちが大切にしてきた「人と人のつながり」が希薄になりました。今、私たちは感染を避けるために慣れない生活を強いられ、他者との関わり方やコミュニケーションの在り方に変化が生じています。皆さんには、アフターコロナを見据え、新たな連帯の在り方を模索するとともに、私たちが長年築き上げてきた「人のつながり」を大切にして、多くの友を得てほしいと思います。

結びに、今日から同志社人となった皆さん、これからの3年間の学校生活が、有意義で、実り豊かなものとなることを心からお祈りし、式辞といたします。ご入学おめでとうございます。

 

2021年4月9日

校長 瀧 英次