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行事ニュース

2021年度 高校卒業式

本日午前10時より、本校香真館にて第71回高等学校卒業式を執り行いました。

校長式辞

厳しい冬もようやく終わりに近づき、梅のつぼみもほころび始め、春の訪れを感じさせてくれる、今日の佳き日に、八田英二総長、理事長をはじめ、ご来賓の皆様、ならびに、保護者の皆様にご臨席を賜り、2021年度同志社香里高等学校卒業式を挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びであります。

本日は、感染の拡大防止のため、各ご家庭、お一人の参列とさせていただきました。これにより、多くのご家族の皆様には、オンライン配信で式の様子をご覧いただくこととなりましたが、ご臨席の皆様とともに、卒業生の門出をお祝いしていただければと存じます。

ただ今、卒業証書を授与した卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。振り返れば皆さんは、入学以来、同志社の良心教育に基づく本校の教育をしっかり受け止め、勉学や部活動に仲間とともに励んできました。皆さんのこれまでのたゆまぬ努力に、心から敬意を表したいと思います。

さて、卒業生の皆さん、香里の丘での6年間、または、3年間の学校生活はいかがでしたか。様々な思いが脳裏を駆け巡っていることと思います。

突如として現れた新型コロナウイルスの影響で、世界中が混乱に陥り、社会や経済のみならず、教育活動も大きな制約を受けることとなりました。一昨年の今ごろ、学校が全国一斉に臨時休校となり、仲間と共に学び合うことのできる学校生活の場が失われました。ようやく登校できるようになってからも、新しい生活様式での不安と緊張の日々、楽しみにしていた学校行事や部活動の大会なども変更や中止を余儀なくされました。皆さんにとって大切な思い出になるはずだった修学旅行も中止となりました。

このようにコロナ禍と向き合ってきた皆さんは、「当たり前のありがたさ」、「感謝することの大切さ」に気づき、悔しさや悲しみを胸の奥にしまって、それぞれの目標に向かって精一杯頑張ってきました。その姿は、ともすれば心折れそうになる私たち大人を励まし、元気づけてくれました。そして、皆さんは、たくさんのことを学び、いろんな経験を通して、心身ともにたくましく成長して、今、この香里の丘を巣立つ時を迎えています。

この先、皆さんが向かって行こうとしている世界は、人工知能や情報伝達技術などに代表される科学技術の飛躍的な進歩に加え、少子高齢化、グローバル化、価値観の多様化など、かつてないスピードで社会が大きく変化し、先行きが分かりづらい時代になると言われています。また、今回のコロナ禍の問題をはじめ、国内外で課題が山積し、そのいずれもが正解のない、あるいは正解が一つとは限らない複雑で困難な時代に突入すると言われています。

皆さんには、是非、自分の身の回りにある様々な困難や課題から目を背けず、自分の頭でしっかり考え、自分の考えたことをまわりの人たちと共有し、より良い解決策を見つける力を養ってほしいと思います。時代の変化を恐れることなく、苦難や困難に果敢にチャレンジし、しっかりと先を見据えて、これからの歩みを進めてほしいと願っています。

本日、新たな世界に羽ばたく皆さんに、先ほど読んでいただきました、聖書のみ言葉をはなむけとして贈りたいと思います。

「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを、耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」

「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」

皆さんは、これから「変化」と「不確実性」に充ちた世界を生き抜いていくことになります。皆さんのこれからの人生において、苦難や困難に直面することもあろうかと思います。苦難を人生のチャンスと捉え、あきらめず努力し続けてほしいと思います。人生は、良いことばかりが続くことも、悪いことばかりが続くこともありません。自分の思いどおりに進まないことも多々あります。今も私たちは、新型コロナウイルスのパンデミックという試練に直面し、この災禍と闘っています。

「神は、乗り越えられない試練はお与えにならない。人は試練を乗り越えることによって、鍛えられ、才能が磨かれ、器が大きくなっていきます。苦難に背を向けず、しっかりと向き合い、その苦難を受け容れることで、希望の光を見いだし、必ず目的を達成できる」と聖書は語っています。苦難に直面した時、この聖句を思い出してもらえれば幸いです。

最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。慈しみ大切に育ててこられたお子様の立派に成長されました姿に感慨もひとしおのこととご推察申し上げます。同志社香里での学校生活を経て、お子様は心身ともにたくましく、頼もしい大人へと成長されました。どうかお子様の輝ける前途を温かく見守り、時には励まし、これからも支えていただきますようにお願いいたします。

皆様方には、これまで本校の教育活動に温かいご支援と多大なるご協力を賜りましたことを、この場をお借りして、教職員を代表して心から厚くお礼を申し上げます。今後も引き続き、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。

結びに、296名の卒業生の皆さんおひとりお一人の前途が洋々たることを願って式辞といたします。また会う日まで、お元気で、ごきげんよう。

2022年2月19日

同志社香里中学校・高等学校

校長 瀧  英次