2014.3.29 Sat(日本では3.30 Sun)
昨晩のダンスパーティーは,学校を会場にして行われました。この学校は,この敷地に昔邸宅をかまえていた上流階級の方が土地を売って建てられたものなので,かつての社交場=Dance hallが残っているのです。
少しおめかししてきたNuevaと同志社の生徒たちが混じりあい,3時間躍りつづけます。American popular music以外に,AKB48など日本のポピュラー音楽も用意してくれていました。アニメ『進撃の巨人』のテーマソングはアメリカでもよく知られていて,Nuevaの子たちも口ずさむことができます。ラストが近づくにつれ,みんなで連なったり,肩を組んだりしてますます一体感を醸し出していました。
Hallの隣にあった美術室には,いつの間にやらNueva&同志社の生徒たちによる寄せ書きが。Nuevaの子たち,漢字やひらがなを使ってメッセージを書いてくれています。
終了後,涙を流し,抱きあって別れを惜しむ女の子たちの姿が。男の子はあっさりしています。人種や国籍に関係なく,こういうときには男女差がはっきり?出ますね。
いよいよ,お別れのときがきました。それぞれSan Francisco空港までホストファミリーの送迎をうけた,同志社生たちが集まってきます。ここでも,いつまでも離れられない生徒たち。”I don’t want to go back!” ”I’m looking forward to seeing you, next time in Japan!” 保護者の方と抱き合う姿は,本当の親子のようでした。筆者はホストの保護者の方と少し話しましたが,生徒たちの生活態度や礼儀に対して好印象をもってくださったようで,中には”I think her parents in Japan must be proud of her.”(日本のご両親,きっと自慢の娘さんだと思ってらっしゃるでしょうね)などとおっしゃった方もおられ,恐縮してしまいました。
それぞれに,思いをいだいて帰路につきました。今後,もちろん国際交流にかかわる人材となってくれることを期待してやみません。
2014.3.28 Fri(日本では3.29 Sat)
いよいよ“Nueva生”として過ごさせてもらう最終日になりました。
1・2時間めはdramaの授業を見学させてもらいました。4つのクラスをローテーションで見学するということで,はじめのクラスに案内されると,車座になったNuevaの生徒たちが読書会?のようなことをしています。同志社生の中には「アレ? 何も始まらないよ」という反応の生徒がいましたが,dramaといえばできあがった映画を観賞することだと思っていた人もいたようです。彼らは,来週本番を迎える”Richard the 3rd”というミュージカルの稽古として,台本の読み合わせをしているのです。続いて2番目のクラスは,role playの訓練です。先生がsituationを与えて,アドリブをさせるというもの。なかなか酷な訓練で,たいていのシャイな日本人だと,お笑いの好きな子でもなければ自分から立候補することはまれと思われますが,次々に手が上がります。Nuevaの生徒たちは,即興でストーリーを組み立て,表情や動作をつけて表現するのがみな上手い! こういう訓練を小学生のころから積んできて,アドリブをすることにまったく抵抗がないというのも,すごいことです。ここまでくると,どういう主旨の授業なのかが日本人生徒たちにもわかったようで,いっしょになって笑いがもれます。
4番めのクラスにおじゃましようとしたとき,印象的なできごとが起きました。授業が行われているはずの教室へ行ってみたが,もぬけの殻なのです。Nuevaでは,その日の天候条件や先生の意図によって,急に授業場所を変える(青空教室もあり?)ということがごく当たり前にあるそうです。さぁ,どうする? 香里の生徒2名が,「近くの先生か職員さんに聞いてみよう」と言いだし,隣の授業中のクラスに声をかけに入っていきました。恐れず自分から動くことができるようになってきた生徒たちに感心しました。でも,もっと驚いたのは,1人のNuevaの生徒さんが「僕がさがすのを手伝ってあげる」と,なんと授業を抜け出してまで私たちを助けてくれたことでした。
しかし何といっても今日のメインイベントは,Nuevaの全校生徒と先生方を前に,私たちから出し物をすること。香里の生徒たちは,「ラジオ体操を紹介しては」という発案に始まり,まだ日本にいるころからメンバーで集まって打ち合わせをしたり,練習会を重ねてきました。筆者も「なかなかいいアイデアだ」と踏んだので,Nuevaに行く前までに「僕もラジオ体操の起源や生い立ちなどをいろいろ調べてみるよ」と約束しました。
でも,彼らのコンセプトは? 何を伝えたいと思っているのか。ステージといえば,観客あってこそのもののはず。楽しみにしてくれているお客さんの立場に立った効果的な表現や構成に,彼らはちゃんと考えが至っているだろうか。
不安になってきた筆者は,いろいろダメ出しやお節介をやいてしまいました。でも,「何より自分たち自身が最後まで楽しんでできるステージにしてほしい。あなたたちが楽しければ,必ず伝わるから…」と,最終の仕上げに彼らを送り出しました。他校引率者の中に英語の先生がいらっしゃったので,冒頭のあいさつを添削までしていただいて…。
そんな心配をよそに,いざ「ラジオ体操」のBGMが流れ出すと,Nuevaの生徒さんも先生方もみんな巻き込まれ,いっしょに体操してくれ,すごい盛り上がりを見せました。ちゃんと伝わったのですね。そして,みなさんから口々に「とてもよかった」と言っていただけました。さらに喜ぶべきは,本校生徒の口から「みんなを巻き込み,喜ばせることができてうれしい」という感想がもれたことです。Well done!
1週間で前向きかつaggressiveな人間へと成長した生徒たち。別れは明日だけど,ホストのNueva生たちと抱きあう姿がすでに見られました。今から,最後の晩のレクリエーション,ダンスパーティーへと向かいます。今夜は元気いっぱい,最後の思い出つくろうね。
2014.3.27 Thu(日本では3.28 Fri)
“Nueva生”4日目。1・2時間目はhost studentとそれぞれペアでJapanese class=日本語の授業に出ました。今度の5月に日本にやってくる生徒を,どの同志社生がホストとして受け入れるかが発表されます。どの子が来るんだろう,ドキドキ。香里は5人のうち3人が完全な“ホスト交換”となり,今回お世話になった子を,今度はこちらがお世話することになりました。そこで,香里生が受けいれることになる3人の子たちに,profileを書いてもらいました。みんなそれぞれに日本語を学習していますので,中にはすべての項目を日本語で書かないと気が済まない,几帳面な生徒さんもいるほどです。Great! そのあと,日本地図のパズルなどをして遊びながら,「香里の校則ってどんなのがある?」「日本の学校と僕たちの学校の雰囲気のちがいは?」など,Nueva生からの質問に答えてあげました。Zack先生たちからのサポートもあり,たどたどしくもコミュニケーションはとれています。
3時間めからは,7th grade(=中1)の生徒さんたちの,ちょっとした遠足行事hikingに同行させてもらいました。今回のhikingは,数か月後に泊りがけで行うキャンプの予行演習。弱冠12歳の少年少女が,かなりの重量の装備を背負い,山登りをします。いわゆるレクリエーションではなくtrainingです。身体障害をもつ生徒さんもいましたが,先生たちは「自分のペースでいいから,投げ出さず登り続けなさい」と,容赦はありません。
山登りの道々,Nueva生と同志社生は短くもコミュニケーションをたくさん交わすことができ,楽しかったようです。同志社生から出された「アメリカでは何歳から大人とみなされる?」の質問を皮切りに,選挙権,飲酒可能年齢など盛り上がりました。自分から口火を切ることに,すっかり抵抗がなくなってきて,よい感じです。
放課後は,保護者の方々が企画してくださったスケート大会。ボウリング同様,日本人の子・アメリカ人の子問わず,熟練度には個人差があります。キャーキャー言いながら一体感が生まれている様子が微笑ましかったです。明日はいよいよ,私たち同志社生側から出しものを提供する番です。喜んでもらえるかしら?
2014.3.26 Wed(日本では3.27 Thu)
“Nueva生”3日目は,2時間めから校外学習(アジア美術館の見学)という大きな行事に遭遇しました。1時間めの総合学習では,見学に先立って先生が『源氏物語』を紹介されました。詩poetry=和歌 というコンパクトな文の中に,人間のこまかな感情を表現するということ。複数のアメリカ人の日本文学者がそれぞれ訳出した『源氏物語』を読み比べて,「どの解釈が自分は好きか,またそれはなぜかを発表しなさい」という,これまた高度な課題を与えられました。
今日は,同志社生にも活躍の機会を与えていただきました。「源氏物語の中に出てくるいくつかの和歌を,表情をつけて詠んできかせてください」と依頼されたのです。香里の生徒も指名をうけました。Nuevaのみんなからの評価は“so beautiful”。Good job!
校外学習では,San Franciscoの南末端にある駅までバスで送っていただいたあと,初めて公共交通機関(subway=地下鉄)に乗って,美術館へ。もちろん,校外学習を行うからにはassignment=課題が課せられます。「展示物の中から気に入った絵画・彫刻・装飾品などを選び,スケッチをして,その特徴をまとめたうえで,俳句を一句詠みなさい」というもの。「日本人が,日本のコーナーの展示品を見てもなぁ…」とぼやく同志社生に,筆者は一喝しました。「時間を無為に過ごすなんてもったいない! Nuevaの子たちが日本文化をどう感じとったのか,discussionでもしてごらんよ!」 …まぁ,自分の持てる知識を,Nuevaの生徒に伝授してあげていた生徒もいましたので,あるていど役割を果たせたと言ってよいでしょう。
学校に戻ってから,「今日各自が何を学んだか」を分かち合う時がもたれました。どんな小さなことでも遠慮せず,積極的に挙手して出しあう姿勢を,日本の生徒たちにも学んでほしいと思います。Nuevaの先生方も生徒に混じって今日の感想を語られましたが,展示品の内容そのものというよりも,日本人の生徒たちの見学態度などについて評価し「私たちも学ぶべきだと思う」と評価してくださったのには驚きました。生徒たち,Nuevaのみなさんの謙虚な姿勢に何か感じることがあり,フィードバックできたことはあったでしょうか。明日からの彼らの進歩も楽しみです。
2014.3.25 Tue(日本では3.26 Wed)
“Nueva生”2日目は,同志社生のために用意してくださった体育の授業から始まりました。Rock climbingの授業。「こわい~」「無理無理無理~~」と言いつつも,日本の生徒たち勇敢だし運動神経もいいですね。先生やhost friendたちからの”You can do it!”の応援に元気づけられて,みごとgoalを果たせた生徒がほとんどでした。
お昼休みには,Nuevaの有志生徒によるバンド演奏があり,交流を盛り上げてくれました。小学生とはいえ,なかなかの腕前でした。
続いて今日の午後のプログラムは,high schoolの生徒たち,つまり高校生との交流会。筆者は,昨年5月,担任していたクラスにNuevaからやってきていた子と10か月ぶりの再会! 顔をちゃんと覚えてくれていました。しばらく見ぬ間に体つきがまるで大人のようになっていたのにびっくり。生徒たち,相手は自分たちよりもやや年齢の高い兄貴分姉貴分ですが,相手が日本語を勉強してくれているということもあり,ちゃんとコミュニケーションをとれていますし,楽しそうです。
5・6時間めは高校生に混ざって,高校の授業を体験しました。化学の授業。…うぅ,専門用語ばかりで,何言ってるかまるで分から~ん…。筆者は担当教科が理科ということもあり,同志社の生徒たちにところどころフォローを入れました。「これ,高1の化学で習う内容ね。なので,君たちまだ習ってない範囲やから難しいのは当然やで」でも,後でNuevaの先生に聞くところによると,授業中あれだけ活発に発言していたように見えるNuevaの高校生でも,この内容についてこれる子は半分もいない…というぐらいのレベル設定なんだそうです。そんなことに安心して満足せず,自ら高いレベルを目指してほしいと思いますが。
放課後は,ホストファミリーの保護者の皆さまが企画してくださった,bowling大会でした。日本人の子どもも,アメリカ人の子どもも腕前は個人によりけりで,おしなべて「生まれ育った国による大差などない」印象でした。ボウリング場のつくり,付設するゲームの種類なども日本のものとほとんど同じでしたので,大衆娯楽文化は先進国共通なのかもしれませんね。
2014.3.24 Mon(日本では3.25 Tue)
いよいよ“Nueva生”としての一週間が始まりました。登校直後,Advisoryと称する時間があり,教室へ行く前にみんなは図書館に寄り,先生方に顔を見せて連絡事項などを聞きとることになっています(日本では「ホームルーム」「朝学活」に相当する時間)。今日は初日ということで,すべてのコマをホストファミリーと同じ授業に出て過ごすことになります。
総合学習の授業。生徒たちが日本の京都や奈良,中国の上海,スペインのコルドバなどある地方都市を選び,文化・歴史・科学技術に関し,一定期間かけてリサーチを進めていく授業です。今日の先生からの発題は「何に着目すれば,その都市の人びとのbeliefが見えてくるといえますか」というもの。ほとんどの生徒が挙手して途中経過を報告しあい,他人の報告に対して互いに活発な議論を交わします。さて,同志社の生徒たちはというと…ポカンとしており,自分たちがどう入っていけばよいのか,わからなくて戸惑っています。そりゃ,こんな授業受けたことないですものね。ハプニングが起きて,急きょ授業の展開を担当の先生が変更するということもありました。自分から「こうやってみようかな」「自分はこれをやりたい」という意思をもって行動していく積極性も,臨機応変な対応力も求められます。
食堂でLunchをご馳走になったあと,4時間めの授業のコマを使って,全中学生によるAssemblyが体育館でありました。時間をもらって,1人1人短い自己紹介をしていきました。
1日の学課をすべて終えて出てきた同志社の生徒たちは,さすがに疲れたもよう。でもホストファミリーに支えられて,なんとか元気に過ごしています。
2014.3.23 Sun(日本では3.24 Mon)
今日は少し遅めのスタート。ホテルを10時に出発です。前日の飛行機移動の疲れはだいぶとれたもよう。
今日は素敵な出会いがありました。Nueva Schoolに私たちのバスが入構するなり,金髪の女の子2人が飛びはねながら手をふり,バスに伴走してくるではありませんか。
待っていたのは,ホストファミリーのみなさんと,Nueva Schoolでこのプログラムを担当してくださっている先生3名。先生方のご挨拶のあと(Zack先生は日本語がとても堪能!),同志社からの4人の引率先生たちが順に自己紹介。笑いや歓声を交えて歓迎してくださいました。こんな喜びぶりは予想だにしていなかったことで,これから始まる1週間に,心躍りました。
生徒たちはそれぞれのホストファミリーと面会。少しずつ,自分のできる範囲の英語を使ってみながら,早くも打ち解け,笑顔につつまれていました。「事前にいただいているプロフィールにあったお父さんのご職業,これどういう意味ですか?」など,踏みこんだ質問をしている生徒もいました。これなら大丈夫ですね。
午後は,それぞれホストファミリーに名所や外食に連れていっていただき,カリフォルニアの生活習慣,文化,社会のようすについて見聞を広めることができたようです。明日からいよいよ学校の授業に混ぜていただきます。
2014.3.22 Sat(日本では3.23 Sun)※東京に比してサンフランシスコの時差はマイナス16時間
現地時間の11:30,サンフランシスコ国際空港に無事到着しました。サンフランシスコ市内の主要なスポットを連れて見せていただきました。本校の5人を含む参加者全員,大して不安げなようすも見せず元気いっぱいです。早くも他校の生徒さんとお友だちになり,会話も盛り上がります。少数派である男の子4人の結束は,見ててたのもしい。…が,飛行機の長時間移動による疲労と時差ボケ?のため,バスの座席に着き,バスが動き出すたびに睡魔がおそってくるようです。
土曜日ということもあり,どこへ行ってもすごい人。天候に恵まれ,よい行楽日和でした。海外経験が初めての生徒が多く,「アメリカの人が英語をしゃべるの,現地で目の前で聞くと迫力あるなぁ」 フードショップやレストランにて,さっそく「英語でのコミュニケーション」に挑戦。「どんな片言でも結果的に通じればいいねん」と,呑気なことを言っていられるのも今のうち? 本番は明日からです。今日はゆっくり疲れをとりたいと思います。
どこへ行っても,食事1人前の量の多さにびっくり!
サンフランシスコのシンボル,the Golden Gate Bridgeを背景に
丘の上からサンフランシスコ市内を一望