同志社創立140年を迎えた11月29日。京都東山の若王子山頂にある同志社共同墓地で、午前7時から創立記念早天祈祷会が行われました。早朝の厳かな雰囲気のなか、大勢の同志社人が集い、創立者新島襄の想いを共有することができました。
その後、同志社香里中学校・高等学校のキャンパス(いわゆる「香里の丘」)において、「第14回 同志社香里大同窓祭」を開催しました。
「同志社香里大同窓祭」は、現在CCC(TSUTAYAやTポイントカードの運営会社)代表取締役社長兼最高経営責任者の増田宗昭氏が同窓会の会長に就任されたとき、「香里らしいイベントをやろう」ということで始まった「同窓生の、同窓生による、同窓生のための文化祭」です。
今年の担当学年は1985(昭和60)年卒業生で、手塚潤実行委員長のもと、「香里よ走れ! 香里を走れ!! 突っ走れ!!!」というテーマで1年近く前から準備を進めてきたものです。
香真館での開会礼拝、開会宣言、主催者代表挨拶に続き、第一セッションが始まりました。出演者は、奥野史子氏(元シンクロナイズドスイミング日本代表、1992年バルセロナオリンピック銅メダリスト、現在スポーツコメンテーターのほか、京都市教育委員や日本水泳連盟のアスリート委員も務めるなど多方面で活躍中)、道端カレン氏(ファッションモデル、テレビやラジオでも活躍中)のお二方をゲストに、白戸太朗氏(プロトライアスリート、日本人として最初にワールドカップを転戦し、現在も競技を続けながらスポーツナビゲーターとしても活躍中。本校1985年卒)がコーディネーターとして、「スポーツな生活が作り出す健康とビューティ」というテーマでトークが始まりました。流石に、日本のみならず世界で活躍されてきた方々だけあって、たいへん奥の深い、興味深い話が繰り広げられました。ゲストのお二人は子育て中のママさんでもありますから、産後のケアやある程度年齢を重ねた人はスポーツや食事を含めた健康管理が大切という話に、自分の日常を反省する来場者が多数おられたのではないでしょうか。
トークのあとは実際に運動をしてみようということで、運動靴に履き替えてグラウンドに向いました。ランニングの準備運動というと、屈伸運動のあとすぐにアキレス腱を伸ばすストレッチをする人が多いのですが、これはNGだということでした。白戸氏によると、大きな筋肉や関節、肩甲骨などを動かすことで無理なく身体を暖めることができるということで実際にやってみました。こうしてウオーミングアップをしながら、身体のバランスや走る姿勢を確認する(正す)方法なども丁寧に教えていただきました。道端カレンさんの姿勢が素晴らしく美しかったのは、やはりモデルとして普段から姿勢を意識しておられるからでしょう。
走り始めはゆっくり、あまり負荷をかけずに400メートルトラックを2周回ったあと、グリーンベルト(校内マラソンや部活のランニングで走ったグリーンベルトのある通学路の坂道で、生徒たちは「グリベ」と呼んでいた)を走りました。当初の予定よりも長い距離でしたが、爽やかな秋晴れの空のもとで気持ちよい汗をかくことができました。運動後のクールダウンについても30分ほど時間をかけて効果的な方法を伝授していただきました。ある程度年齢を重ねてもなお、トップアスリートで在り続ける白戸氏ならではノウハウがぎっしり詰まった講習会でした。これで翌日の仕事も大丈夫でしょう。一方、道端カレンさんと写真を撮りたい方々の行列もできていました。
お昼は「京都宮川町 㐂久屋のお弁当」か「天ぷら料亭 一宝 大同窓祭特別天丼」を選べるという豪華な昼食でした。お二方とも同期卒業生として一役買って出たということでした。
福田耕治校長からの挨拶のあと、『「スラムダンク」と「スタジオジブリ」創作の秘密に迫る』という第二セッションが始まりました。こちらは野口周三氏(本校卒業生で、同志社大学在学中に「週間少年ジャンプ赤塚賞」で入賞し、「スラムダンク」のスタッフとして活躍したほか、映画・アニメのプロデューサー・ディレクター、脚本家としても活躍。現在は大阪成蹊大学教授)と、糸曽賢志氏(10代でスタジオジブリの宮崎駿監督に師事後、さまざまな作品の演出、監督等を歴任。同じく大阪成蹊大学教授、早稲田大学招聘研究員)から、ご自身の経歴や仕事内容、宮崎監督の考えのほか、この20年ほどの間にマンガやアニメが日本文化として認知され「クールジャパン」の一翼を担えるようになってきたこと、そして今後の世界戦略など、多岐にわたってそれぞれ示唆に富んだ話の展開となりました。
第三セッションは、「スラムダンクの野口、日本トライアスロン界のオリジネイター白戸のトークセッション~俺たちの香里マインド」と題して、対話形式によるトークが繰り広げられました。台本無し、打ち合わせ数秒のぶっつけ本番にも関わらず、世界で活躍されているお二人の阿吽の呼吸で聞いている者をぐいぐい引き込んでいくトーク術は実に見事でした。
クライマックスは全参加者のなかから1名の方に20万円分の商品券が当たる大抽選会。同志社大学應援團チアリーダー部の学生が手にしたチケットの半券は・・・58年卒のYさん・・・しかし、先ほど帰られたということで「権利無し」・・・再抽選となり会場は大いに沸きました。結局、幸運を手にされたのは53年卒のMさんでした。Mさんおめでとうございます。
締めくくりは同志社大学應援團による演舞でした。「若草萌えて」「同志社アトム」「同志社ヒーローズ」など懐かしい応援歌を聴いた後、「同志社カレッジソング」を一同で歌い、再会を期して閉会となりました。
こうして同窓生、現役生徒(高3生)、ご来賓等も含めて約500名が参加した第14回大同窓祭を無事終えることができました。閉会後に幹事学年の実行委員メンバーが全員で記念写真を撮っておられましたが、それぞれの晴れやかな笑顔がたいへん印象的でした。
なお、来年の担当学年は1986(昭和61)年卒のみなさんです。よろしくお願いいたします。