２０２０年度　高校卒業式

本日午後2時より本校香真館にて、第７０回　高等学校卒業式が行われました。

2020年度　高校卒業式　校長　式辞

厳しい冬の寒さも日増しに和らぎ、春の息吹が感じられるこの佳き日に、八田英二総長、理事長をはじめ、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、２０２０年度同志社香里高等学校卒業式を挙行できますことを、心より厚く御礼申し上げます。

本日、本校を巣立つ３０４名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは今、高校卒業という大きな節目にあって、本校での３年間、６年間の色々な出来事が、まぶたに浮かんでいることと思います。楽しいことも、時には厳しいこと、辛いことも、きっとあったことでしょう。

特に、最後の１年は、新型コロナウイルス感染症により、十分な活動ができない日々となりました。３ヶ月にも及ぶ臨時休校や部活動の休止、”Stay Home!”など、皆さんの日常は一変しました。学校再開後は、新しい生活様式での学校生活となり、戸惑った人も多かったと思います。また、予定されていた体育祭や文化祭などの学校行事が大幅に変更され、これまで皆さんが、普通に行なってきたことができなくなり、もどかしさを感じたことでしょう。このような状況の中、皆さんは、同志社の良心教育に基づく本校の教育をしっかりと受け止め、勉学や学校行事、部活動に真摯で前向きに取り組み、立派に高校生活を全うしました。これまでの皆さんのたゆまぬ努力に、心から敬意を表したいと思います。

さて、私たちは、今、これまで経験したことのない、新たな災い、コロナ禍と闘っています。加速する社会のグローバル化を象徴するかのように、瞬く間に感染症が世界中に拡大したことで、移動や行動が制限され、想像もつかなかった不測の事態が次々と押し寄せ、私たちは大きな試練に立たされています。いまだ、収束の見通しも立たず、本当に苦しく、辛く、不安な日々を過ごしていますが、次世代を生きる皆さんには、ぜひ希望を持ってこの困難に立ち向かい、この苦しい経験から学んだことを成長の糧とし、今後の人生に活かしてほしいと願っています。

卒業にあたり皆さんに、視力と聴力、そして言葉さえも失うという三重苦を克服し、人々の幸せのために尽くした、ヘレン・ケラーさんの言葉を紹介したいと思います。

Character cannot be developed in ease and quiet. Only through experience of trial and suffering

can the soul be strengthened, ambition inspired, and success achieved.

（人格は平静の中では高められない。試練と苦難を経験してこそ、魂は鍛えられ、大志が生まれ、そして、成功を収める。）

皆さんは、これまで色んなことに挑戦し、数多くの困難を乗り越えてきたことと思います。時には、うまくいかずに悩んだり、立ち止まったりしたこともあったでしょう。これからの人生においても、このコロナ禍のように、突然、考えてもみなかった困難に直面することがあると思います。そんな時、志や夢を持ち続け、努力を積み重ね、前に向かって邁進してほしいと思います。ヘレン・ケラーさんの言葉通り、「人は、試練や苦難を経験し、それらを乗り越えることによって、人格が練磨され、希望が生まれ、たくましく成長します。」乗り越えられない試練や困難はありません。夢のあるところに道は必ず拓けます。

変化の激しい、予測困難な時代を生き抜くために、失敗を恐れず、新しいことに挑戦する力、失敗してもめげず、失敗から学ぶ力を身につけてほしいと思います。本校で培った力を礎に、新たなステージでも、苦しいことに背を向けず、果敢にチャレンジし、最後までやり遂げ、更に大きく成長してくれることを期待しています。

最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。慈しみ、大切に育ててこられたお子様の立派に成長された姿に感慨もひとしおかと存じます。教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。今日まで本校にお寄せいただきました温かいご支援と多大なるご協力に深く感謝を申し上げますとともに、今後とも本校の教育に益々のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

併せて、本日は、感染の拡大防止のため、各ご家庭、お一人の参列とさせていただきました。これにより、この場にご参列いただくことがかなわず、画面をとおしてご覧いただいている方もいらっしゃるかと思います。皆様のご理解とご協力に厚く御礼申し上げます。

それでは、卒業生の皆さんお一人おひとりの旅立ちを祝うとともに、今後、益々のご活躍とご多幸を心よりお祈りして、式辞と致します。また会う日まで、お元気で、ごきげんよう。

 

２０２１年３月８日

同志社香里中学校・高等学校

校長　瀧 英次