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行事ニュース

2014年度 中学卒業式

3月18日(水)、香真館において2014年度中学卒業式が行われました。

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<校長の式辞>
同志社香里中学校3カ年の義務教育の課程を終え、今日の日を迎えられた248名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆さま、お子様のご卒業、心からお喜び申し上げます。また、これまで本校の教育活動にご理解とご支援を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。

卒業生の皆さん、皆さんの進路はまちまちです。他の高等学校へ進学する人もいます。また、多くの人は、同志社香里高等学校へ進学することになります。いずれにせよ、皆さんに共通することは、今後も学び続けると言うことです。

さて、昨年12月1日TBS「全盲の僕が弁護士になった理由」というドラマがありました。人気俳優の松坂桃李さん主演で、実在の大胡田誠さんという、全盲の弁護士を演じました。大胡田弁護士は、1977年静岡県に生まれ、小学6年生のとき、先天性緑内障という病気で視力を失い、中学・高校は盲学校に通い、大学は法学部へ進学しました。司法試験に向けて8年間の苦学の末、5回目のチャレンジでようやく合格しました。しかし、勉強を始めた当初は、点字の六法全書など法律書もありませんでした。そんなとき、「だから無理」より「じゃあどうする」のほうが面白いと、一つひとつ解決していったそうです。

こんな話を聞くと、目は見えなくても天才的な頭脳と、強靭な意志を持っていたのでしょうという人がいるかもしれません。彼自身次のように語っています。

「僕は鉄の意志の持ち主でもないし、特別な頭脳を持っているわけでもありません。ただ、根が楽天的で『やれば、どうにかなるんじゃないか』と根拠のない自信の持ち主ではあります。『やりたい!』と思う目標が見つかると、そこに辿り着くまでの苦労よりも、そこに辿り着いた後の楽しみのことばかりが、頭を駆け巡る“快楽主義者”です。」

誰にでもチャンスはあるんだ。大切なことは、やりたいと思う目標を見つけること、目標を見つけたら、それが実現したらどんなに楽しいだろうと想像して、頑張る励みにしたらよいということです。それを大胡田さんは伝えたかったのではないでしょうか。

ところで、ドラマで主人公を演じた、松坂さんの名前「桃李」は、珍しい名前ですが、芸名ではなく本名です。この名前にはお父さんとお母さんの願いがこめられています。漢字では、モモとスモモと書きます。中国の歴史家司馬遷の「史記」に書かれた言葉「桃李不言下自成蹊(桃李は言わざれども、下自ずから蹊を成す)」これは、「桃や李は話すことはしないけれども、みんな桃や李の花の美しさに惹かれてやってくる。だから木の下には人が集まるので、自然と道ができる」転じて、「徳のある人のところへは黙っていても人が集まってくる」という意味です。そんな人になってほしいと、お父さんがつけられた名前です。

また、お母さんは、中国の故事「桜梅桃李」からとりました。オウバイというのは桜、梅のことですが、それぞれが他をまねることなく、独自の美しい花を咲かせることから、自分にしかない個性を磨くということです。

父は、自然と人がよってくるような徳のある人物になって欲しいという願いから、母は「自分らしさを大切に」という願いから名づけられたものです。
皆さんの名前も、ご両親が考えに考え抜いてつけられたと思います。そこに込められた親の思いを、感じ取ってください。

皆さんは、これからも学び続けなければなりません。しかし、それを苦しいこととしてとらえるのではなく、全盲の大胡田弁護士のように、「やりたい」と思うものを見つけて、それが出来た時のことを想像して、楽しんで学び続けてください。そして「桃李」の名前のような、また皆さんの名前に込められた思いのような、人物を目指してください。

最後に、皆さん一人一人の成長を、心からお祈りして、私の式辞と致します。