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行事ニュース

同志社大学実験セミナー(生命医科学部)

8月28日(水)、本校理系志望者に対して同志社大学生命医科学部に1日実験セミナーを行っていただいた。セミナーの内容は「ルミノールの合成と反応」と題して、医情報学科教授の太田哲男先生(生体情報研究室)と准教授の大江洋平先生に担当していただいた。
まず、ルミノールの合成に必要な10%の水酸化ナトリウム水溶液と8%のヒドラジン水溶液を作るのに必要な量をそれぞれ計算し、電子天秤を用いて量り取り取りました。電子天秤を扱うことが初めての生徒もおり、大学生になってからの実験授業に向けて貴重な体験をすることができました。
次に、ヒドラジン水溶液に、3-二フトロフタル酸を加え、ガスバーナーで加熱することによって固形物を溶かし、そこにトリエチレングリコールを加えて、215℃になるまで加熱して2分間維持しました。このとき、温度が上がりすぎないようにガスバーナーを出し入れしながらの気を遣う作業でした。加熱終了後は100℃にまで冷めたら熱湯を加え、試験管を流水で冷やし、黄色い化合物を濾過することによって取り出しました。この化合物に最初に作っておいた10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、これに亜ジチオン酸ナトリウム二水和物を加え、ドラフトで5分間加熱しました。このときも、突沸が起こらないように気を遣いながら、加熱し続けました。これに酢酸を加えて流水で冷やし、濾過することによって、固体のルミノールを取り出しました。これらの作業では、濾過するためのろ紙の折り方や、バーナーの扱い方、スターラーの使い方など様々な器具の扱い方を学ぶことができました。
最後に、いよいよ合成した物質がルミノールになっているかの検証作業を行いました。ルミノールは鉄などの遷移金属を触媒とし、過酸化水素と反応して発光する物質のためによく科学捜査などで使われる試薬です。今回は血液の代わりにヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム水溶液を調整し、暗くした部屋で発光を確かめました。3つの斑ともきれいに発光し、みんな感激していました。
また、MRI(磁気共鳴画像)の見学をさせていただき、NMR(核磁気共鳴装置と、GC-MS(ガスクロマトグラフフィーと質量分析装置が合体した装置)といった分析機器を使っての分析についても学びました。NMRで得られた結果から、物質の構造を考察したのですが、かなり苦戦していたようです。
丁寧な指導でわかりやすい説明をしていただき、ふだん見たり触ったりすることのできない装置を見学させてもらうなど、高校の実験ではできないことを経験させていただき、有意義な一日を過ごさせていただきました。

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