本日6月20日(土)12時より中学の、15時より高校の入学式が行われ、中学生245名、高校生306名の新入生を迎えました。
校長式辞(中学入学式)
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より祝福を贈りたいと思います。また、入学に至るこれまでの努力に、深く敬意を表します。これまでずっとお子様を温かく支えてこられた保護者の皆様、立派に成長されたお子様の姿に、感激も一入かと存じます。お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
本来であれば、4月9日に行うはずの入学式でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期となり、今日までお待ちいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
さて、皆さん、「航空機の欠航が相次ぐと、天気予報の精度下がる」ということを、ご存じでしょうか。ここにいる新入生の皆さんは、私が休校期間中に届けたメッセージを読んでいると思うので、説明できますよね。どうでしょう。
各国の天気予報に、世界を飛び交う航空機が観測した、上空の風や気温のデータが利用されているそうです。それが、この新型コロナウイルスの影響で、航空機の欠航が相次ぎ、1日あたり80万以上作成していた観測データが大幅に減少し、気象予測の精度が徐々に下がっていくというのです。今は、過去の蓄積により大丈夫だそうですが、今のデータが得られないことで、この先の予報に懸念が生じています。
今回のコロナウイルスの世界中での蔓延の影響は、単に気象予測に留まる話ではなく、世界経済に与えた影響も計り知れないものがありますし、あらゆる方面で甚大な影響をもたらしています。
私たちの日常生活では、“Stay Home”が呼びかけられ、多くの人が集まる、楽しいはずの場所まで閉鎖され、感動の共有が困難となり、私たちが、今まで大切にしてきた、人とのつながり、絆が希薄になりました。その一方で、人のつながりを保とうと、世界中でインターネットを活用して、情報の共有が図られたので、高度情報化がさらに加速し、従来の習慣や常識を覆す、新たなライフスタイルが創造されました。
このようにコロナ禍という未曾有の困難に直面した皆さんには、ぜひ、自分と同じような経験を後輩や子供たちにさせないために、どういう仕組みを社会につくれば良いのか、どういう価値観を大切にすべきなのかなど、ウイズコロナ、アフターコロナの時代に向けて、考えてほしいと思います。考えることにより、皆さんの進路や将来の生き方が大きく広がり、変わることでしょう。
これまでのやり方や、既成概念にとらわれるのではなく、一人ひとりが知識や経験を活かして、しっかりと考え、知恵を出し合い、本質を見抜く力を養わなくてはなりません。本校での学びを通して、基礎的な知識や技能の習得は勿論のことですが、部活や学校行事に積極的に取り組み、自身の価値観を確立すると共に、多様な価値観を持った仲間、友だちと協働して、学び続ける力を身につけてほしいと思っています。
先ほど宗教部主任が拝読しました「地の塩、世の光」という聖句について、少しお話ししたいと思います。お手元の式次第をご覧ください。「地の塩」、塩とは、お料理の味付けに使うのは皆さん、ご存じだと思います。塩は、他に殺菌や保存料として、食物を腐敗から守る働きもします。「世の光」とは、燭台の上に灯された明かりのことで、暗闇を照らし、ものを識別します。同志社の教育理念は、キリスト教を基本として、人格を養い、単に学業や技術に優れた人物の育成だけでなく、聖書にいう「地の塩、世の光」として、世のため、人のために役立つことのできる人物を排出することです。
この聖句は、卒業式でよく読まれるのですが、本日、あえて、入学式で引用しましたのは、皆さんが同志社香里で、何を学び、どんな人物に育ってほしいのかを知っていただきたかったからです。この聖句のメッセージを理解し、深く心に刻み、これから始まる学校生活、学習や部活動に大いに励んでください。
結びに、新入生の皆さんが、洋々たる前途を切り拓くことを強く祈念し、式辞といたします。皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。
校長式辞(高校入学式)
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より祝福を贈りたいと思います。また、入学に至るこれまでの努力に、深く敬意を表します。これまでずっとお子様を温かく支えてこられた保護者の皆様、立派に成長されたお子様の姿に、感激も一入かと存じます。お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、学校が長期休校となり、入学式も延期を余儀なくされました。今日までお待ちいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
さて、この新型コロナウイルスの感染拡大は、現代社会のグローバル化を象徴するかのように、世界各地に瞬く間に広がり、私たちの住む日本社会も混乱と危機に見舞われました。また、世界経済に与えた影響も計り知れないものがあります。
さらに、“Stay Home”が呼びかけられ、人々が集えなくなることにより、感動の共有が難しくなり、これまで私たちが大切にしてきた、人のつながり、絆が希薄になりました。その一方で、人のつながりを維持するため、私たちは、インターネットを通じて盛んに情報を共有したので、この目に見えないウイルスは、高度情報化の推進力にもなりました。
これまで創り上げてきた社会の在り方や人とのつながり、自然との共存など、私たちの生活を一変させたコロナ禍に遭遇した皆さんには、今後もコロナウイルスに対応し、うまく共存するだけでなく、周囲や社会に対して自分に何ができるかをぜひ考えてほしいと思います。また、今回のように予期せぬ出来事に対して、最善策を考え、解決する力を養うために、学び続ける姿勢を身につけてほしいと思います。
ここで、新入生の皆さんが同志社香里で充実した学校生活を始めるにあたり、私から二つのことをお話ししたいと思います。
これまで国際化、情報化が進み、また、人工知能やロボットなどの科学技術が発展することにより、社会経済が大きく変わり、将来の予測が困難な時代がやってくると言われていました。それが、今回の新型コロナウイルスの感染症拡大を契機に、学校ではオンライン授業、会社ではテレワークなど、インターネットを活用した新たな学び方や働き方が始まり、ますますIT化が進展し、今まで遠い未来の夢だったことが現実のものとなる時代の到来が早まりました。
このように変化し続ける社会と向き合う時代に生きる皆さんには、ぜひ、本校での学びを通して、行動力と本質を見抜く力を培ってほしいと願っています。この世の中には、自分が知らないことがたくさんあり、それを知るために自身が学び続けなければなりません。人は、時代の先を見据えながら「知ること、考えること、行動すること」で成長し、自ら求めて学ぶことで、学びが深まります。
次に、先ほど宗教部主任が拝読しました、お手元の式次第にあります「地の塩、世の光」という聖句についてお話ししたいと思います。「地の塩」、塩は、お料理の味付けに使うのはご存じだと思いますが、他に殺菌や保存料として、食物を腐敗から守る働きをします。「世の光」とは、燭台の上に灯された明かりのことで、暗闇を照らし、ものを識別します。同志社の教育理念は、キリスト教を基本として、人格を養い、単に学業や技術に優れた人物の育成だけでなく、聖書にいう「地の塩、世の光」として、世のため、人のために役立つことのできる人物を排出することです。
この聖句は、卒業式でよく読まれるのですが、本日、あえて、入学式で引用しましたのは、皆さんが同志社香里で、何を学び、どんな人物に育ってほしいのかを知っていただきたかったからです。この聖句のメッセージを理解し、深く心に刻み、これから始まる学校生活、学習や部活動に大いに励んでください。
結びに、新入生の皆さんが、洋々たる前途を切り拓くことを強く祈念し、式辞といたします。あらためまして、皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。